平成26年度分科会「次世代Java」

平成26年度分科会次世代Java担当の松山です。
「次世代Java」分科会についての紹介と、活動結果を掲載します。

■テーマ:次世代Java
ネクサートの中心技術であるJava。最新版であるJavaSE8やJavaEE7のさらに先、
次世代Javaが目指す未来から今後のエンタープライズシステムを考察する。

という定義が当初はありましたが、実際の所は、
今のJava、特に「Java 8」がどういったものなのかを社内に情報共有していくのが目的です。

■活動内容
分科会発足直後のの活動目標は、
・JavaSE、JavaEEのロードマップ調査
・次世代Javaで搭載される機能調査
・新機能によりエンタープライズシステムはどう変わるか

ということで、
・Java Day Tokyo 2014
・JavaOne 2014 San Francisco

これらのイベントに参加する予定にしていました。

しかし現実は・・・
Java Day Tokyo 2014のみの参加になりました。
参加できなかった理由は察して下さい。

■メインの活動となった『Java Day Tokyo 2014』について
2014年5月22日(木)に開催されたJava Day Tokyo 2014に参加してきました。
会場は品川プリンスホテルアネックスタワーで、参加費は無料。
ただし、事前登録が必要となっていました。
事前での参加登録者は2000人強で、結構人が多かった印象です。

●基調講演
10:00~12:00は広めの会場での基調講演でした。
スピーカーはStephen Chin氏の同時通訳用による様々なJavaに関する実用例を紹介として、
まずは、ORACLE社によるIoTをテーマに据えた3種類のデモンストレーションを聞きました。

  • ORACLE社によるデモ1【Lego Mindstorms】
    Lego Mindstormsを使って作られた「Lego Duke Segway」のデモで、2つのタイヤがついており、電源を入れると立ち上がって内蔵されたジャイロでバランスを取るというしかけになっています。
  • ORACLE社によるデモ2【DukePad】
    Raspberry Piを組み込み、Java SE Embeddedで制御するタブレットとその製作工程を紹介。
    ユーザインタフェースはJavaFXベースで、性能としてはゲームアプリやマルチメディアプレイヤーなど。
    会場では映画のトレイラーも見事に再生されました。
  • ORACLE社によるデモ3【Chess Robot】
    「DukePad」上でチェスアプリを起動し、チェスアプリに連携して動くアームロボットの紹介。
    ボード上の駒を認識し、DukePad上で駒の動きを指定するとそれにあわせてアームが動き、
    駒を掴み、掴んだ駒を目的の場所に移動する。

●続いて、企業によるJava活用例を紹介
NEC社のコミュニケーションロボット【PaPeRo】
技術的にはセンサを搭載したロボット(デバイス)と、クラウドで情報を収集して思考する
という2層で成り立っている。ロボットのプラットフォームにはJava SEが使われている。

その他にもパナソニック社の電子マネー決済端末の紹介もあり、
こちらは対人向けインターフェースにJava MEが採用されているとのことでした。

●この基調講演の最後は【Java Roadmap】の紹介でした
次期版となるJava 9ではGPUを制御する「Project Sumatra」があり、
Intel 9シリーズを目指して着々と開発が進んでいる。
ほかにもJavaのモジュール化を進める「Jigsaw」、JavaでRIAを実現するための
「JavaFX」を共同で開発する「OpenJFX」が紹介されていました。

帰る際に、手帳とストラップを頂きました。

Java Day Tokyo 2014に参加してみての感想は、とにかく面白かったです。
自分の身近なものにJavaが使われているんだと実感できました。
また、今後のJavaがどのようになっていくのかを少し想像できたかなと思います。
自分は何も考えずにフラッと参加してみた口ですが、終わってみればそれなりに
刺激もあり得るものも多かったので、興味ない方でもふらっとこのような外部の
シンポジウムや講演に参加しても良いのではないかと思いました。

イベントに参加して得たJava8の技術情報は社内の技術情報共有ということで、
社内Wikiや活動状況報告、発表会で紹介しました。

■分科会全体のまとめ

「Java8の新機能を実業でどう使えるか」

Java8を導入したからといって新しい事がすぐ出来るって訳でもなく、
技術者がJava8の新機能を使うことによって開発速度が早くなったり、
ソースの可読性が高くなったりするかも知れませんが、
全然知らない人が見たときは逆に読めなくて困り果ててしまいます。
ようは使い方次第ということでしょうか・・・

ラムダ式一つにしても認知度や使用頻度が上がらない限りは
今までの書き方を推奨するでしょう。
傾向としては新しい事は始めない派の方が多いように思います。

今回の調査としては、新しい機能は実際に使うととても便利だが、
公開直後はその認知度が低いため、実際の開発現場に浸透し定着するまでに
時間がかかるんだなぁと感じました。

もし来年もこの分科会が存続していれば、
あまり知られていないJava8が実は身近な所で使われている
といった観点でで調査できればいいなと思いました。

■最後に
Java 8の技術調査も行い、報告会や社内Wikiなどで社員に少しでも情報共有、
知識展開できて良かったかなと思います。

また、私の個人的感想ですが、今後は積極的に様々なシンポジウムや展示会に参加したいと思いました。
「Javaはネクサートの中心技術である」ので、これからも探求していきたいです。